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2018.12.10

昨日、川沿いを河口に向かって歩いた。いつもよりずっと早い時間帯で、まだ暗いうちから歩き始めたから、車や人通りはまるでなく、海沿いのコンビナートから特有の低い音が聞こえて来るだけだった。

河口から5番目の橋を右岸に渡り、朝焼け前の川面に、ポツリポツリと光を映す街路灯を横目に歩く。
途中、ローカル線の一番電車が鉄橋を渡り、遠目にも人の気配のない車両が行きすぎるのを眺めていると、なんて寂しい場所にいるんだと、彼女が恋しくなった。

都会に暮らす彼女はこの二両編成の電車をどんなふうに見るんだろう。非日常を感じるだけだろうか? それとも、幼い頃に過ごした景色を思い出し、懐かしがるのだろうか?

河口にはウミウ?カワウ? どっちかわからないが首の長い黒鳥が、十数羽の群れを成して水面で羽を休めていた。

昔からいたのかな? 

幼い頃の記憶にはないハーバー風の港を眺めつつ、こんな田舎でも、ボクの知らないうちに少しずつ変化していることを知った。

河口からの帰り道、幼い頃に通った幼稚園の傍を通り抜けた。ボクが通った頃にはバス通りを挟んだ向こう側の大学の敷地内にあったんだけど、確か、そこは新しい学部の敷地になっていて、今は中学校のすぐ隣になった。
幼稚園の目の前は中学校のテニスコートで、小さなころからライバルだったKが全国大会に出ることが決まった時、やたら部員が増えて困るんだよ、と勝ち誇るように笑っていたことを思い出した。

本当は今日歩きながら何枚も写真を撮ったんだけど…… なんとなく彼女に見せられなかった。
あまりにチープな記憶を晒すようで、恥ずかしいんだな、ボクはきっと。

「昨日のことだけどね」そう書きだしたのは照れくさかったからだよ。いまさら、ここにこんなことを書き込んだこと自体が恥ずかしかったし、しかも、HPとしての出来栄えも粗末なものだから、とても見てくれとも言えないし。
何枚もとった写真の中からこれを選んだのも、特徴がないからかも。
どうしたらいいか、もうわからなかったのかもしれない。