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2019.04.10

寒い朝になった。春の陽射し続きで温まった部屋から徐々に熱が奪われる。しばらく薄着のままでいると知らぬ間に体温も奪われている。着込もうにも冬物は仕舞い込んだ。厄介な天候になったものだ。
関東地方は気温が10℃を下回ったままらしい。雪の降る場所もあるとか。マジで? ひかりのどけき春はどこへ行った?


昔、学習塾や家庭教師と言えば楽勝、濡れ手で粟、ってイメージがあったが今はそうでもないらしい。時給1100円ならコンビニやファーストフードのバイトとそう変わらない。いつからこんな大暴落が始まったのだろう?
かつて、学生バイトの家庭教師は月に4回で謝礼が2万円。1回あたり2時間だから概ね時間給は2500円。これがベースになるから、学習塾でも大抵は時給2000円程度からスタート。スーパーの品出しが時給500円に満たない時代だから、休日が潰れるデメリットを補って余りある高効率なバイトだった。
その頃はまだ組織化された大資本が学習塾を経営するケースは稀で、篤徳の教師が副業で学習塾を開くケースも多く、受験どころか学校ではちっとも勉強に身が入らない生徒に、大学生の兄ちゃんが暇つぶしに勉強を教える体の呑気なもので、市販の問題集を切り貼りして教材にするってことも平気でやっていた。
それでも志望校に合格すれば本人どころか親も大喜び。こんな子を先生どうもありがとう、って言われるのだから、このまま学習塾の講師にでもなるかな、と思ったこともあった。
だが、気がつくと学習塾もブランド化が始まっていて、自分の子供が学校に通う頃には近くに小さな学習塾など見当たらない。駅周辺でブランド予備校が小さな子供のうちから受験のテクニックを教え始めていた。そこに通う生徒たちも、夜間友達と会うために塾通いするのではなく、結構マジで進学進路を考えている。その結果、テキトーな学生バイトは駆逐され、講師陣はプロの集団になった。そして他のビジネスモデルと同様、カリスマ講師には破格の待遇が用意され、駆け出しの学生にはスーパーの品出し程度の低労賃が支払われる…… 合理的だが面白くもなんともないバイトになり下がった。

あれから数十年…… 今は個別指導の学習塾が増え、不登校の生徒を受け入れたりしているらしい。
何事も時代とともに変わる。学習塾に限らず、ボクが当たり前と思っていた世界はどんどん消え失せる。