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2019.05.20

『Voice Tra』というスグレモノの自動翻訳アプリがあるらしい。今朝、J-WAVEの番組で紹介していた。開発者の話では文法より実際の翻訳例を重視するもののようで、近い将来、同時通訳が出来るレベルを目指すらしい。

このスグレモノの話を聞きながら、ボクは妙な世界を空想していた。これを手にした人々が、「これからは翻訳に馴染む汎用的な言葉や表現を使うべきだ! この翻訳アプリが適切な翻訳をしないケースは、マシーンに問題があるのではなく、言葉を発した者に問題がある、と見なそう!」 そう息巻いている。ボクはそれをあ~ぁ、ってな顔で遠巻きにしている…

同調圧力の強い社会だから、多くの人がそうだそうだ!と言い始めるともう止まらない。やがて世界はこの翻訳機に支配される。馴染めない人間は排除され、固有の言葉や言い回しをする者は当局に密告されいつの間にか姿を消す。誰も彼もがありきたりの表現に終始し、そしてついに世界は……、というあたりでバカバカしくなって止めた(^^ゞシゴトシロヨ

つまんない空想話は別にしても、今や当たり前のテクノロジーが人々が持つ「無用の用」的なバッファーを、知らぬ間にどんどん削り取っている気はしている。
例えば、アナログレコードがデジタルCDに駆逐され、音の世界からふくよかな雑味が捨て去られたように、利便性や効率性の犠牲にされたことは結構多いのではないか? もしこの傾向が言葉や思考にまで向かうとすると、いよいよ世界は面白みがなくつまんなくなりそうだ。
表面的な言葉とは裏腹な世界、皮肉、アイロニー、限られた関わりの中だけに通じるローカル言語、そんな世界が人々にホッと息をつけさせ、逃げ道を用意する気もするんだけどなぁ。
何もかもが教科書や辞書どおりの意味でしかなくなったり、万能と言われる機械や仕組みに支配された社会なんて息が詰まりそう。
と、月曜日の朝からこんな空想で遊んでいられるのは幸せなんだね、きっと(笑)

昨日からの雨が降り止まない。今も流れの速い雲が低空を滑るように西に向かっている。
西に向かう? おや? 東に行くんじゃなかったの?