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2018/12/13

庭には三種類の山茶花がある。いや、四種類かな?
大半は真っ赤な花弁に黄色の雄しべ。どこにでもある山茶花なんだけど、マーブルのもの、花弁の巻き具合がしっかりしているやや白っぽいものがあって、時期をずらしてそれぞれがそれなりに毎年咲き誇る。

ところが、西側の隣家との境にある山茶花は毎年一輪か二輪を咲かせているようだが、気が付いた時にはいつも散っていて、こりゃもう咲かない山茶花なのかな、じゃあ伐ってしまうか、そう思いつつ、秋口にやや強めに枝をそろえた。

するとどうだろう。今年は結構な数を咲かせた。しかも、淡いピンク色で可憐だ。

どういう気まぐれなんだろうね。
美しくても気まぐれなのはなぁ……
ボクは誰かさんを思い出す。この庭に関心を寄せることもなかった彼女のこと。

今頃、どこで何をしてるんだろうね?
淡いピンクの山茶花が咲いていた。
ふと、窓の外の山茶花に目が止まっただけのこと。
デスクに座っていても何も手につかず、といって、心は妙に落ち着いていて、すべてをこのまま受け入れようとしている。
ホントは気まぐれ女のことなんか思い出してないよ。
ただ、そんなふうに書いてみただけのこと。誤解するかなぁと思いながら。