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2019/01/25

縦書き変換する作業で過去作を読み直している。
どれもこれもろくでもない作品だなあと今更ながら呆れ果てるが、下手な文章の中に時々自分だけにわかるリアルな経験との重なりがあって、そこに差し掛かるとはっきり過去が蘇る。
それは、モデルになった人とのリアルな思い出もあれば、その作品を描いていた時に思い浮かべていた人のこともあり、大抵の場合前者はただ懐かしいだけだが、後者は胸に刺すような痛みを伴うことが多い。
そして時々モデルの人物と描いていた時に思い浮かべた他の人が渾然となり、記憶までもが混濁してくる。そのうちモデルが入れ替わりそうになる。
そして結局全作品が似通ってしまう気がする。すべてがあるフィクションに収斂しそうで、別々の人を描いていたはずなのに同じ人物に向けて会話を進めているような感じになっている。
結局、ボクには本当の意味でのフィクションは存在せず、常に現実に置かれた状況を反映しながら書いていることになるから、これはもう小説ではないな、そう思う。
誰かひとりが読んでくれたら、それだけで嬉しい。
椿群生地で原因不明の立ち枯れが発生しているらしい。庭の椿と症状が似てないか?
椿だけじゃない。梅もスモモも幹の様子が変だ。どうやら庭全体が何かに侵されている。
おそらく、このまま放置しているとほぼすべてが枯れ落ちてしまうだろう。
だけど、ふと思った。それでいいかなと。この古い庭木が全部朽ちてしまい、のっぺりした更地に戻るのもいいかなと。何もなくなった庭に、今度は芝桜でも植えようかな。
ボクは薄情な人間だよ、まったくの。