2019.04.05
今年初めて気づいたこと。柿の新芽は鮮やかな緑でひときわ美しいという事。透き通るほどの黄緑色が枝先に散りばめられているその様子は、幹や枝の黒褐色とコントラストが著しく、可憐でかつチカラ強い。いずれこの新芽もゴワゴワした、いわゆる柿の葉になるんだなあ、と思うとちょっと複雑な気分になった。
そういえば柿の葉寿司ってあるけど、あれはどの時期のものを使うのだろう? そう気になって調べてみると塩漬けのものを使うらしい。食べないでねと注意書きが添えてあった。
数年前に実家の柿の木をばっさり伐ったことを急に思い出した。庭の真ん中にあって奥行きを狭く感じさせていたし、ボクは柿に興味がないからなんら躊躇なく伐ったが、何人かから勿体ないと言われた。まさか彼らが新芽の美しさを愛でてのこととは思えないけど。
柿、と訊けば多くの人が熟した実のことを思うだろうが、ボクはこれから先、新芽の美しい木として記憶することにしよう。
ついでに。隣のオヤジが桜の苗木を植えた。この花の下で花見ができるかなぁと心細い話をしていた。確かに、桜はいつまで見られるんだろ、なんて感慨を呼び起こす。この三本の桜が咲き誇る頃、このあたりの景色はどう変わるんだろ? ってことをちょっとだけ考えた。
ようやく花の季節の暖かさに包まれた昼下がりのこと。