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2019.04.06

散歩の途中に小さな町工場がある。門扉の様子から捨て置かれた場所のようにも見えるが、敷地内には大きな桜の古木が三本並んでいて、満開の花を咲かせていた。
手入れの悪い桜で枝振りも良くない。さらに枯れた蔓が巻き付いていて苦しげだ。賑わう桜並木の木々とは比べようもない。
それでも時が来れば花を付け、古木なりに盛りを誇る。その姿に艶やかさは微塵もないが、花は花だなあと思わせる不思議な存在感があった。

この工場が賑やかに稼働していた頃、おそらくこの古木を見上げた人があり、今年も咲いた、来年も、またその次もと未来に思いを馳せたのだろう。

その未来の果てをボクは見ているのだろうか。